先に、これだけフィルム名が分からないまま強い薬剤や高圧水を使わない。端部と施工後の待機時間を優先する。
フィルムで守っているから、洗車は気楽でいい?
フロントバンパーやボンネットにPPFを貼ったクルマ。飛び石や軽い擦り傷に備えられるのは魅力ですが、洗車で扱い方を間違えると、フィルムそのものを傷めることがあります。
PPFはペイントプロテクションフィルムの略で、塗装面を覆う透明または艶消しのフィルムです。すべてのPPFが同じ材質や表面処理、厚さ、自己修復機能を持つわけではありません。
施工したばかりなら、洗車を待つ
PPFは貼り付けた直後から、すべての洗車方法が使えるわけではありません。施工後に待機時間が必要な場合があります。
例えば3Mの日本向け資料では、初回洗車まで72時間以上、洗剤を使う洗車は施工後1週間以内を避けるよう案内しています。一方、XPELの製品では、洗車まで48時間待つよう案内する例があります。
この差は重要です。「PPFなら何日後」と一律に覚えず、自分が貼った製品と施工店の指定に従いましょう。
日常の洗車は、まず水と柔らかい道具から
十分な水で砂や埃を流し、許可される洗剤と清潔な柔らかいミットなどで洗うのが基本です。フィルムの汚れを落としたいからといって、強い洗剤やコンパウンドを使う必要はありません。
3Mの日本向けPPF資料では、強い酸性・アルカリ性・アルコール性の洗剤や研磨粒子を含む洗剤を避けるよう案内しています。これらは対象製品への指示であり、ほかのフィルムにそのまま適用する代わりに、各メーカーの条件を確認しましょう。
高圧洗浄機は使える?メーカーで違う
「PPFに高圧洗浄は絶対NG」と一律には言えません。しかし「いつでも使える」も間違いです。
3Mの国内向け一般PPFケア資料では、洗車機や高圧洗浄機の使用を避けるよう指定しています。一方、XPELのケアガイドは、ノズルとフィルムとの距離や水の角度に条件を設けながら、高圧洗浄を案内しています。
ほかの3M製フィルム向け資料にも、条件付きの高圧洗浄手順があります。つまり同じメーカーでも製品と資料が違えば条件は変わるのです。
必ず自分のフィルムの取扱案内を優先してください。
特に気をつけたいのは、フィルムの端
フィルムの端は、強い水流やこすり方によって浮き・剥がれが生じやすい場所です。洗う前に端部が浮いていないかを確認しましょう。
浮きがある場合は、洗い続けたり、自己判断で接着剤を流し込んだりせず、施工店へ相談します。無理に引っ張って剥がすと、下の塗装へ影響する可能性があります。
自己修復タイプでも、深い傷は直らない
一部のPPFには、軽い擦り傷が温度によって目立たなくなる機能があります。しかし、すべての傷が消えるわけではありません。フィルムが深く切れていたり、下の塗装に損傷があったりする場合は別の対応が必要です。
熱湯やドライヤーを使って自己修復させようとする前に、フィルムメーカーが指定する回復条件を確認しましょう。
光沢PPFとマットPPFは別に考える
光沢仕上げのPPFで使用が認められた商品でも、マット仕上げに使えるとは限りません。マット面を磨けば、その部分だけ艶が出るおそれがあります。
また、艶消しの塗装そのものとマットPPFは、違う素材です。見た目が似ていても、同じ洗い方とは限りません。
施工店へ確認しておきたいこと
- 貼ったフィルムのメーカー名と製品名。
- 初回洗車までの待機時間と洗剤使用の条件。
- 高圧洗浄機や自動洗車機の可否。
- 虫汚れ、鳥のフン、樹液を取るために使える用品。
- 端部の浮き、深い傷、黄変などが生じた場合の対応先。
オルクラのケアポイント
PPFは貼ればメンテナンス不要になるものではありません。大切なのは「保護フィルムなら何でも同じ」ではなく、自分のフィルムが許可する方法を確認して、端部を守りながら清潔に保つことです。