先に、これだけエンブレムは飾りだけとは限らない。きれいにする前に、その奥の役割を知る。
文字のまわりが白い。細いブラシでこすりたい
エンブレムの縁やグリルの奥に、白い乾燥跡や黒い汚れが残っている。普通のスポンジが届かないので、歯ブラシや細い道具を使いたくなるかもしれません。
でも、最近のクルマでは、フロントエンブレムの裏にレーダーが搭載されている場合があります。グリルも、単なる飾りではなく、車両の空気の流れやセンサーの働きに関係する部品です。だから、隙間が汚れているからといって、何でも吹きかけたり、強く押したりするのは避けたいところです。
同じグリルでも、素材と構造はさまざま
ピアノブラック調の樹脂、メッキ、塗装された樹脂、金属メッシュなど、仕上げは車種ごとに異なります。細かな汚れを落とすつもりで硬いブラシを使うと、光沢面に細い擦り傷を付けるおそれがあります。
また、黒い部分を美しく見せるための艶出し剤が、センサー関連のカバーに使えるとは限りません。見た目だけで樹脂保護剤を選ばないようにしましょう。
まずは水で、届く範囲だけを洗う
表面の砂を十分に流し、車両が認める通常の洗車方法で優しく洗います。清潔で柔らかいブラシやクロスを使う場合も、先端に硬い部品がないか確認しましょう。
奥に見える汚れを無理に掻き出そうとして、部品の隙間へ棒や工具を差し込むことは避けます。エンブレムやグリルの取り付け部をこじると、固定具の破損につながる場合があります。
高圧洗浄機なら奥まで洗える?
高圧洗浄機は便利ですが、車種によってはエンブレム裏のレーダーやカメラ周辺へ直接噴射することを禁止しています。水圧を強くすれば汚れが落ちるという考え方は、ここでは危険です。
洗浄機を使う場合でも、ノズルの距離、角度、使用してはいけない部位などを車両の説明書で確認します。不明な場合には、強い噴射を避け、普通の水洗いで済ませる方がよいこともあります。
エンブレムにステッカーやコーティングは?
好きなクルマだからこそ、エンブレムをきれいに光らせたり、保護フィルムを貼ったりしたくなるかもしれません。しかし、エンブレムの裏にレーダーがある車両では、カバーの塗装、改造、ステッカー貼付、純正以外への交換などが制限されることがあります。
汚れ防止のつもりで行った施工が、運転支援機能の妨げになっては意味がありません。センサーに関係する部分は、メーカーが許可した方法にとどめましょう。
白い汚れと、表面の白化は別
縁に残る白い跡は、水分が乾いて残った成分かもしれません。一方、メッキや樹脂の表面そのものが劣化している場合もあります。水洗いしても落ちず、ツヤが変わっているなら、洗剤を増やす前に原因を確認します。
メッキ調の樹脂に金属用の研磨剤を使う、ピアノブラックに硬い研磨材を使う、といった対処は避けたいところです。
洗車後の警告や異常は、整備領域
洗車後に運転支援機能の警告が出た、レーダーカバーが外れかけている、エンブレムが割れている。このような状態は、通常のディテイリングではありません。洗い直しや接着剤による自己補修ではなく、販売店等での点検が必要です。
- 表面の軽い汚れなら、通常洗浄を優先する。
- 隙間の奥は無理に掻き出さない。
- 高圧水はセンサー部へ直接当てない。
- レーダーの前面カバーには勝手な塗装・フィルム施工をしない。
- 警告灯や部品の損傷がある場合は整備点検を優先する。
オルクラのケアポイント
グリルやエンブレムの価値は、見た目だけではありません。デザインを形づくり、ときには運転支援機能にも関わります。細部を美しく保つことと、必要な機能を守ること。その両方を満たすお手入れを選びましょう。