先に、これだけ紫色に反応することより、ホイールの表面を傷めず、ブレーキを安全に保つこと。
昨日洗ったのに、もうホイールが黒い
お気に入りのホイールを洗った翌日、スポークの奥に黒い粉が付いている。特にブレーキをしっかり使うクルマでは、足元だけすぐ汚れることがあります。
この汚れの代表がブレーキダスト。ブレーキパッドとディスクなどが摩擦するときに生じる細かな摩耗粉です。成分はパッドやローターの材質で異なり、金属成分だけとは限りません。
「鉄粉除去剤」とブレーキダストの関係
市販のホイールクリーナーには、鉄系成分と反応して紫色に変わる製品があります。汚れが見えるので、落ちた実感を得やすいですよね。
ただし、紫色の反応が出たからといって、ホイールの表面処理に安全であることや、汚れがすべて除去されたことを意味しません。また、ブレーキダストの全部が同じ成分ではないため、反応しにくい汚れもあります。
大切なのは、薬剤の反応よりも、ホイールの仕上げに適しているかどうかです。
まずは水洗いと通常の洗浄から
走行直後はホイールやブレーキ周辺が高温の場合があります。十分に冷えてから水で砂や緩んだ汚れを流しましょう。その後、適合するシャンプーと柔らかい道具で洗い、十分にすすぎます。
これで落ちるなら、鉄粉除去剤まで使う必要はありません。むしろ、毎回強い薬剤を使うことを習慣にしない方が、表面処理を守りやすい場合があります。
強い製品は、使えるホイールが限られる
「アルミホイール用」と表示されていても、アルマイト、特殊塗装、メッキ、再塗装、マグネシウム合金などが使用対象外になっている製品があります。商品ラベルの除外条件まで必ず確認してください。
また、乾いている間に洗剤を長く放置したり、熱い面へ吹きかけたりするのも避けたいところです。使用時間とすすぎ方法は製品の指示を守ります。
ブレーキの部品に、何でも吹きかけていい?
ホイールの奥には、ディスクローター、ブレーキパッド、キャリパーなどの重要な部品があります。ホイール用洗剤を使う場合でも、ブレーキ部品の清掃や整備を目的として設計された薬剤とは限りません。
潤滑剤や艶出し剤をローターやパッドの摩擦面へ付着させることは絶対に避けてください。制動に悪影響を及ぼすおそれがあります。異音、引きずり、制動力の変化がある場合は洗車で解決しようとせず、整備点検を優先します。
落ちない黒点は、どこまで攻める?
洗っても残る点状の汚れは、鉄分を含む付着物の固着かもしれません。一方、塗装やクリア層の傷、腐食の可能性もあります。
強いブラシ、金属タワシ、研磨用の粘土で繰り返しこすれば、汚れは薄くなるかもしれませんが、同時にホイールの仕上げを傷めるおそれがあります。表面に凹凸や白い腐食が見えるなら、除去剤を追加する前に専門店へ相談しましょう。
汚れやすさは、整備不良の証拠ではない
ブレーキダストの量は、パッドの材質、運転環境、ホイールの形状などでも変わります。汚れが多いという理由だけでブレーキに不具合があるとは限りません。
反対に、片側のホイールだけ急に汚れが増え、異臭や異常な熱、引きずり感がある場合は、ブレーキの状態を点検する必要があります。
こんなときはどうする?
- 洗車で落ちる黒い粉なら、通常の水洗いを継続する。
- 固着した黒点なら、まずホイールの素材・仕上げを調べる。
- 適合する専用剤がある場合に限り、指定された範囲で使う。
- 白い腐食、塗装の浮き、明らかな表面損傷には、薬剤を足さない。
- 制動異常や異常な熱が疑われる場合は、洗浄を止めて整備点検へつなぐ。
オルクラのケアポイント
ブレーキダストが出るのは、クルマが走り、止まっているから。黒さをゼロにするより、ホイールの表面を傷めず、ブレーキを正しく機能させることが大切です。汚れの量に合わせて洗い、強い薬剤は必要なときだけ。それで十分な場合も多いのです。