先に、これだけタイヤの黒さより、ゴムの状態と安全性を優先する。
洗っても茶色いタイヤ
洗車の最後、タイヤだけ茶色っぽい。クリーナーで洗うと茶色い泡が出るので、汚れが残っているように感じるかもしれません。でも、黒くなるまで繰り返し洗うことが、本当に良いケアなのでしょうか。
茶色い変色は、保護成分が関係することも
タイヤのゴムには、強度や耐久性を高めるための配合剤とともに、酸素やオゾンなどによる劣化を抑える老化防止剤が使われます。一部の成分は表面に移動し、空気や光の影響で茶色く見えることがあります。こうした現象はブルーミングと呼ばれます。
もちろん、泥、道路の汚れ、ブレーキダスト、以前塗った艶出し剤などが関係することもあります。見た目だけで茶色い成分の正体を断定することはできません。
茶色いから交換が必要?
茶色い変色そのものは、直ちに危険を示すわけではありません。新しいタイヤでも起こる場合があります。反対に、真っ黒なタイヤでも、ひび割れや傷、偏摩耗、空気圧不足があれば問題です。
タイヤの状態を判断するなら、色よりも、ひび割れ、膨らみ、傷、残り溝、偏摩耗、空気圧、使用期間などを確認しましょう。
汚れが落ちたら、洗い続けない
まず水を使って泥や砂を落とします。タイヤメーカーが認める場合には、柔らかいスポンジや適切な濃度の中性洗剤等で優しく洗浄し、十分にすすぎます。
何度洗っても茶色い泡が出るからといって、透明になるまで洗い続ける必要はありません。表面へ移動した保護成分まで過度に洗い落とす可能性があるためです。強い溶剤、金属ブラシ、過度な摩擦を安易に使わないでください。
タイヤワックスは必須用品ではない
タイヤの側面を自然な黒に整えたい、艶を楽しみたい。そうした美観上の好みはあります。一方、タイヤメーカーの中には、艶出し剤をできるだけ控えるよう案内するメーカーもあります。
水洗いだけで十分なら、無理に艶出し剤を使う必要はありません。使う場合も、タイヤメーカーと用品メーカー双方の使用条件を確認しましょう。
水性なら無条件で安全?
水性・油性は、主に製品の媒体や処方に関する分類です。水性だからすべて安全、油性だから必ず危険という単純な判断はできません。含まれる成分や使用量、施工条件で影響は変わります。
特に石油系溶剤を含む製品ではゴムへの影響に注意が必要です。仕上がりの艶や耐久性だけを基準にせず、タイヤ側の指定を優先してください。
絶対に塗ってはいけない場所
一般的な乗用車用のタイヤ艶出し剤は、使用が認められる場合でも基本的にサイドウォールが対象です。路面と接するトレッド面や、その境界付近へ付着させないでください。グリップへの影響が懸念されます。
二輪車用タイヤやレーシングタイヤに、乗用車用の艶出し剤を流用しないこと。塗布後は余分な液剤を適切に処理し、製品指定の乾燥条件を守ります。
黒くして、傷みを隠さない
ひび割れや傷があるタイヤを黒く仕上げても、ゴムや内部構造が修復されたわけではありません。サイドウォールの膨らみやコードが見える傷など、重大な異常があれば使用を控えて専門家へ相談してください。
オルクラのケアポイント
タイヤは黒さよりも状態が大切。汚れを落とすこと、艶を楽しむこと、安心して走れることを分けて考える。あえてワックスを使わないことも、タイヤのための合理的なケアです。