本革と合成皮革、見た目が似ていても同じ手入れでいい?
革の種類は、手入れ方法を選ぶ前に知っておきたい情報です。ただし「本革ならクリーム」「合皮なら何でも水拭き」という単純な区別はできません。シートの表示と表面仕上げを確認しましょう。
先に、これだけ「革っぽく見える」だけでケア用品を選ばないことが第一歩です。
同じ黒いシートでも、素材が違うことがある
クルマのシートを見て「レザーだから革用クリーム」と思っていませんか。実際には、本革、合成皮革、布との組み合わせ、表面に特殊加工をした素材など、さまざまな構成があります。
素材に合わない用品を使うと、変色やベタつき、光沢変化につながることがあります。きれいに保つためには、最初に何でできているかを把握することが近道です。
本革でも、表面がむき出しとは限らない
自動車用の本革には、顔料や樹脂系の保護仕上げが施されているものがあります。手で触れているのは革そのものではなく表面仕上げの層という場合もあり、家庭用革製品向けの油分の多いクリームが適切とは限りません。
いっぽう、柔らかな触感を重視した特殊な本革や、異なる表面処理のレザーでは、取り扱いに別の制約があることもあります。革という名前だけで一律の清掃方法を決められません。
合成皮革も種類によって扱いが違う
合成皮革は繊維などの基材の上に合成樹脂層を設けた素材で、樹脂の種類や表面加工によって性質が異なります。一般に水分や汚れに対応しやすいものもありますが、「水や洗剤を多く使ってよい」という意味ではありません。
素材や経年状態によっては、強い溶剤や高温、過度な摩擦が変色や表面の剥離を起こす可能性があります。革用の保湿クリームが必要とも限りません。
素材は車両資料と部位で確認する
車両カタログや取扱説明書に「本革」「合成皮革」「人工皮革」などの表記があっても、座面、側面、背面で素材が異なる車両があります。「本革シート」の名称だけで全面が本革と考えないほうが確実です。
見た目や匂い、手触りだけでの判定は難しいため、年式・グレード・部位が分かる資料や販売店の説明を利用しましょう。
お手入れの基本は共通、薬剤は共通ではない
砂やほこりを先に取り除き、清潔で柔らかな布を使用する、強くこすらない、過剰に濡らさない、といった姿勢は多くの素材に共通します。
ただし、適するクリーナーの種類や濃度、仕上げ剤の使用可否は素材別です。本革用と書かれた製品が合成皮革に合うとは限らず、その逆も同じです。メーカーの指定にない洗剤を使用する場合は、素材と表面仕上げへの適合確認が必要です。
穴あきシートや座席機能にも注意
パンチング加工のあるシートやベンチレーション機能を備えるシートは、表面に加えて内部構造も保護する必要があります。洗浄液を直接噴霧したり、孔に流し込んだりしないでください。シート内蔵エアバッグやヒーターがある車両は説明書の注意事項を確認しましょう。
迷うときは素材を特定してから
- 取扱説明書に素材が明記されていない
- 同じ座席内で素材が切り替わっている
- 表皮が剥がれる、ひび割れるなど劣化が見える
- 購入予定のケア用品が素材適合を明示していない
オルクラのケアポイント
「本革だから高級」「合成皮革だから手入れ不要」という判断ではなく、それぞれの特性を理解して適切に扱うことが大切です。素材を知ることが、無駄な買い物や過剰ケアを減らします。